2012/03/20

直島旅行レポ その3 〜地中美術館 展示作品〜

地中美術館に展示されているのは3人の作品。
クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレル。
モネは「睡蓮」で有名な印象画家です。
残りの二人はどちらもアメリカの現代美術のアーティスト。
3人に共通している事は、自然と向き合い、自然を解釈して作品を作る芸術家だということ。
だそうな笑
難しいけど、美術館を出た後になんとなく理解できたのでオッケーです笑


クロード・モネ「睡蓮」シリーズ


5点の作品が展示してあります。地中ですが、自然光のみで鑑賞出来るとの事。
普通に明るかったです。
壁も床も真っ白で、絵画を邪魔する要素は何もなし。
まさに「睡蓮」のためだけの部屋です。
スリッパに履き替えるため、小さなタイル敷きの床が心地よかったです。
絵の感想はというと、まずデカイ!笑 想像以上でした。
純粋に、綺麗な絵だなーと。
印象派の絵画はあまり興味は無かったのですが、この部屋には結構長居しました。
座って鑑賞することもできるとの事で、立ったり座ったりしてました笑
印象絵画。勉強したくなってきた。


ウォルター・デ・マリア「タイム/タイムレス/ノー・タイム」



大きな階段室の中央に置かれた花崗岩の球体。
部屋の至る所に置かれた金色のモニュメント。
天井から差し込む自然光は、時間によって作品を様々な角度から照らします。
部屋全体が作品ということで、部屋の寸法や採光などはデ・マリアの細かい指示によって決められたそうです。
デ・マリアは安藤忠雄の建築を研究し、彼の手法を積極的に取り入れたそうな。

最初に部屋に足を踏み入れた時の衝撃は忘れられません。


(無音)


幸いにも、部屋に入ったのが友達と二人だけだったため(スタッフの方はいますが)、雑音も人の気配も皆無。
無音を通り越して、「キーン」という音が聞こえてくるほど。
とても神聖な空気。静謐。思考回路も一時停止します。
その空気に圧倒され、最初は足が進まなかったのですが、階段を登って鑑賞することもできます。球体に触れることも可能。
演出として、1~2時間に一度、バスドラのような低音がかすかに響きます。
入ってしばらく経って聴けたので、運が良かった。
二度目見に行った時は他のお客さんがたくさんいましたが、球体の周りにぽつぽつと人が立っている絵もまた面白い。
今度は入り口付近でじっとして眺めました。


ジェームズ・タレル「アフラム,ペールブルー」「オープン・スカイ」「オープン・フィールド」



ジェームズ・タレルの3つの作品は、光の体験です。
個人的ベストの「オープン・フィールド」。
まず、目の前の壁には長方形の青い光。
スクリーンに映写されているのかな?と思いました。
スタッフの指示を聞き、近づいてみると、そこは壁ではなく開口部。
段を登り、恐る恐る光の中に足を踏み入れます。

中は青色の光で満たされています。
壁や床の境界線は不明瞭。無限空間。
微妙に傾斜のついた床を下ってゆきます。
そして、スタッフの指示により歩くのを止めます。
部屋の奥の壁に注目。
今まで壁だと思っていたそれは、壁ではなく開口部。(本日2度目)
奥にはもう一つ大きな空間があるとのこと。
びっくりしました。最初は壁にしか見えなかったのです。
「これ以上進むと落っこちちゃいます」とのこと。
じっくり見てると、確かにそこに空間があるように見えてきます。

そして戻ろうと後ろを振り向くと、
さっきまで待っていた外の部屋の様子が…
最初の開口部は、オレンジのスクリーンに。
部屋の青色に目が慣れ、普通の照明の部屋が鮮やかなオレンジに見えるのです。
補色の関係なので、スクリーンのエッジがかすかにちらつき、もう何がなんだか。
最初の段や床の傾斜は、余計なものが視界に入らないようにするためなのか。
アハ体験ってこういう事ですね。


作品数と入場料が吊り合わない!という人もいるようですが、僕は大大満足です。
今でも余韻に浸ってますもの笑
今回載せてる写真はHPからの転載です。
解像度が荒いのはご容赦ください。
作品を視覚で感じるだけでなく、五感全てを総動員して”体験”するのが、この地中美術館。
また行きます。必ず。


地中美術館HP

続く…